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相続で悔しい思いをした話

第1話 もしも遺言があったなら

中島音吉・良子夫婦は埼玉県K市に夫婦ふたりで住んでいました。

夫婦の間に子供はなく、夫 音吉は長らく東京の会社へ勤め、妻もパートに出たりして共働きで働いていましたが、夫の退職後は老夫婦ふたりで、夫名義の小さな一戸建に暮らしていました。

音吉は、家のことは妻に任せ、自分は趣味の写真や古書収集に没頭する、やや身勝手で頑固なところがある夫で、妻はそんな夫に時々愚痴をこぼしつつ、週に1度近所のスポーツクラブでフラダンスを踊ったり、プールでウォーキングをしたりするのを楽しみにして生活していました。

ある日、久しぶりに夫の妹・清子が遊びに来ました。 


「兄さんはのんきでいいわね。今度は山の写真?富士山へ行って来たの?」

「まったく高いカメラ買って毎週撮影だ、個展を開くんだとか言って。」

「年金があるから悠々自適ね。お義姉さんも兄さんが死んでも困らないわね。この家もあるし。」

「そおねえ。財産て言ってもこの家とわずかな預金くらいだけどね。」

「ここだったら駅から近いし、今は不動産が下がっているとはいえ、かなり土地は高いんじゃない?」

音吉には清子という妹がおり、K市から少し離れた埼玉県S市のマンションにひとりで住んでいます。

夫はすでに亡くなり、息子が一人いますが、今は結婚独立しているので、身軽な清子は、K市のMデパートに買い物に来たついでに、気まぐれにふらっと遊びに立ち寄るのでした。

しかし、良子はこちらの予定も聞かず、急にやって来て余計なおしゃべりをしてはなかなか帰らないこの義妹があまり好きではありませんでした。

ある日、スポーツクラブのロッカー室で。 

「ねえ、余計なこと言うようだけど、旦那の死んだ後のこと、ちゃんと考えてある?吉川さんのご主人、こないだ突然亡くなったでしょ。なんだかすごいもめてるらしいよ。何か、調停とか何とか言ってたよ。」

おしゃべり好きなプール仲間の秀子が話しかけてきました。

「あら、うちは吉川さんみたいに資産家じゃないから関係ないわよ。あそこはアパート経営してたり、子供も多いでしょ。うちなんか夫婦ふたりだけだし。」

「何言ってんの。あんたのとこだって、土地や家あるじゃない。貯金だってあるんでしょ。」

「だって夫婦ふたりだから問題ないのよ。」

「相続となれば別よ。こないだ、老人会で相続の講演会があって聞きに行ったんだけど、夫婦ふたりでも他の身内があれば難しいことになるって司法書士の先生が言ってたよ。あたしも法律のことはよくわからなかったんだけどさ。だんなに遺言しといてもらえば。」

「でも、うちの人って遺言なんて言葉、言うだけで不機嫌になるわ。そんなこと考えるのが大嫌いな人なのよ。身内たって普通のつきあいないんだし。関係ないのに財産要求なんてそんな悪どいことしないわ。」

「あら、もう太極拳のクラスが始まる、じゃあね。でも人間お金が絡むと変わるからそういうことは今の内きちんとしといた方がいいよ。」

それから1年。音吉の妹・清子が突然亡くなりました。

その半年後に、尾瀬に撮影に行って音吉は倒れ、病院に運ばれましたが、奇しくも妹と同じ脳梗塞で1週間後に亡くなりました。

遺言はもちろんありません。

一度に訪れた二つの死。夫音吉の葬儀や四十九日がようやく終わった頃、良子のもとへ清子の長男・満から電話がかかってきました。

「叔父さんの相続のことで話がある。」と。

満は「叔父さんの財産に関して自分にも相続権がある。」と言うのです。


なぜ甥の満が?

 この場合の相続人は妻良子と甥の満の2人となります。相続割合は良子が4分の3、満がそれぞれ4分の1です。

なぜ、遠い血縁の甥・満が相続人になるのでしょう?

実は満に最初から相続権があったわけではなく、もともとの相続権は妻良子が4分の3と音吉の妹・清子が4分の1です。しかし、清子が音吉の死亡前に亡くなったため、清子が持っていた4分の1の相続権を、清子の息子である満が引き継ぐことになります。

これを専門的な言葉で代襲相続といいます。

★代襲相続★

親の財産は子へ、そしていずれは孫のものになります。しかし、親よりも先に子供が亡くなった場合、亡くなった子供は相続することができません。その結果、孫も財産を受け継ぐことができなくなってしまいます。そこで、親の死亡前に子が亡くなっていた場合は、孫が代わって相続できることになっています。

これを代襲相続といい、代わりに相続人となる人のことを代襲相続人といいます。

兄弟姉妹については、代襲相続人になれるのは、兄弟姉妹の子(甥・姪)のみです。

中島家のその後

甥の満は会社を脱サラして商売を始めましたが、昨年あたりから経営がうまくいかなくなり、多額の借金を抱えていました。満としては、急に転がり込んできた相続の話をそのまま見逃すはずはなく、家と土地を良子一人の名義にするなら、自分の相続分に相当するお金を支払ってもらいたいと主張し、その結果、良子はせっかく音吉が残してくれた預金の半分以上を、満に支払うことになってしまいました。

プール仲間の秀子が言ったとおり、音吉が「全財産を良子に相続させる」という内容の遺言を遺しておいてくれれば、満にお金を支払う必要はなかったのです。兄弟姉妹には遺留分というものがありません。ですので、このような遺言さえしておけば、何の問題もなく良子が全財産を相続できたのです。

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